インドネシアのニッケル精錬業者、現地の供給が逼迫する中、鉱石をフィリピンに求める

2023年7月28日、インドネシアの南スラウェシ州ソロワコにあるPTヴァーレ・インドネシアが運営するニッケル加工工場のトラックから廃棄場に熱いスラグが流れ込む。アンタラ・フォトが撮影したこの写真。 Antara Foto/Jojon/via REUTERS ライセンス権の取得

［8月30日ロイター］ - 最大の生産国であるインドネシアのニッケル精錬所は、供給不足を緩和するためにフィリピンからまれに鉱石を購入しており、これにより原材料の貿易の流れが混乱し、サプライチェーン全体のコストが上昇していると関係者が述べた。

ジャカルタは最近、採掘枠発行における汚職行為の捜査を受け、採掘枠の発行を遅らせ、国営鉱山会社アネカ・タンバン(ANTM.JK)(アンタム)の主要拠点での操業を停止した。

他の場所では採掘が続いており、世界の採掘供給量の半分を占めるインドネシアは鉱石に不足はないとしているが、地元バイヤーらによると、価格は先週の10％上昇に続き、今週は約8％上昇したという。

製錬所経営者３名、ニッケルトレーダー２名、中国アナリスト１名によると、新規採掘割当がさらに遅れる場合に備え、一部の企業は現在、世界第２位の供給国である隣国フィリピンから鉱石を購入しているという。

取引情報を公に開示することが許可されていないため、全員が匿名を避けた。

インドネシアの大手製錬所関係者は「今月から輸入を始めた。経済的だ」と話す。

この関係者は、精錬業者が購入する金額については明らかにしなかったが、購入するのは低品位の褐鉄鉱鉱石であると述べた。

インドネシアの鉱山業者は、限られた生産割当量の中で高品位の鉱石を優先するだろうと、この関係者は付け加えた。

インドネシアの貿易データによると、インドネシアは2023年上半期に5万3,864トンのニッケル鉱石を輸入し、2022年通年の2万2,503トンから増加した。

しかし、インドネシアのデータによると、フィリピンからの輸入は5月に始まったばかりで、すべてが中国のニッケル大手、青山グループが一部運営する巨大なニッケル加工園内のモロワリ港に到着した。

青山氏は電話や電子メールでコメントを求めたが、応じなかった。

インドネシア政府と国際ニッケル研究グループ（INSG）のデータによると、フィリピンからの上半期のニッケル含有量は、昨年のインドネシアの採掘量160万トンに比べて1,000トン未満だった。

ウッド・マッケンジーのアナリスト、アンドリュー・ミッチェル氏は、「フィリピン産の鉱石は一般的にインドネシア産の鉱石より品位が低く、同じトン数の鉱石からの生産量が少ないため、操業コストが上昇するだろう」と述べた。

「しかし、この鉱石は現在国内の鉱石と比較すると安価であるため、これによりコスト上昇の一部が相殺されるだろう」とミッチェル氏は述べた。

インドネシアは2020年の禁止令ですべての出荷が停止されるまで鉱石の多くを輸出し、主に中国企業からニッケル精錬に数十億ドル相当の投資を集めた。

中国のコンサルティング会社ミススチールによると、供給ひっ迫のため、フィリピンからの輸入量は７月と８月合わせて１０万トンに増加する可能性がある。

INSGによると、フィリピンは2022年に世界供給量の11％に相当する36万トンのニッケル鉱石を採掘した。

ある中国のトレーダーによると、インドネシアの供給逼迫と10月に始まるフィリピンの雨季を前にバイヤーが買いだめしており、フィリピンからの鉱石の需要の高まりが中国でも価格を押し上げているという。

ミススチールのデータによると、中国の連雲港に陸揚げされたフィリピンの1.3％品位鉱石は先月で20.6％上昇し、1トン当たり41ドルとなり、3月以来の高値となった。

ハノイのマイ・グエン氏、北京のシーイー・リウ氏、ジャカルタのフランシスカ・ナンゴイ氏、マニラのエンリコ・デラ・クルス氏、および北京ニュースルームによる報道。編集：ドミニク・パットンとキム・コグヒル

当社の基準: トムソン・ロイターの信頼原則。

トムソンロイター

Mai はアジアの非鉄金属市場についてレポートします。彼女は、銅、アルミニウム、亜鉛、ニッケル、鉛、錫市場の毎日の値動き、傾向と予測について書いています。彼女は毎週のニュースレターをここで配布しています: https://bit.ly/2VMBkfp。Mai は以前、ベトナムからのニュースを取り上げました。彼女は、米国ペンシルベニア州のライカミング大学を経済学およびビジネスの学位 (優秀な成績で) 取得して卒業しました。彼女は交換留学生としてロンドンで 1 年間ウェストミンスター大学で学びました。ロイター入社以前は、アーンスト・アンド・ヤング社の監査部門とコンサルティング部門でインターンとして働いていました。